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#財務・資金繰り #意思決定 #数字・見える化
FINANCIAL COLUMN · 2026.07.16 · BEYOND Holdings 編集部

資金が足りない時の打ち手の順番 ── 慌てて借りる前に

「来月、資金が足りないかもしれない」──そう気づいた時、多くの社長がまず銀行へ走ります。でも、順番が逆です。慌てて借りると、金利の高い調達に飛びついたり、条件の悪い相談になったりして、かえって首が締まる。2025年の企業倒産は1万261件で12年ぶりの1万件超、ゼロゼロ融資後の倒産も累計2,272件に達しました。その多くは、『新たに借りられなくなって』起きています。だからこそ、足りないと気づいた瞬間にやるべきは、借りることではなく打ち手を順番に並べることです。

1. なぜ『まず借りる』が危険なのか

資金が足りないと分かると、頭が真っ白になり、とにかく現金を作ろうと動いてしまいます。しかし、金額も時期も掴まないまま借入に走ると、本当は要らなかった額まで高い金利で抱え込むことになりかねません。金利のある世界が戻り、借入コストが上がった今、これは以前より確実に高くつきます。

2025年に倒産が12年ぶりの1万件を超えた背景には、コスト高・人手不足に加え、ゼロゼロ融資などで膨らんだ債務の返済が進まず、追加の借入ができずに破綻するという構図があります。帝国データバンクの集計でも、ゼロゼロ融資後倒産は3年連続で高水準。「借りて埋める」だけの発想は、返済という次の壁を積み上げるだけです。まず必要なのは、借りる前に打てる手を全部並べることです。

2. 最初にやるのは『いつ・いくら足りないか』の把握

打ち手を選ぶ前に、地図が要ります。月次のどんぶりではなく、これから13週間(約3か月)の入金と出金を週単位で並べた表を作ってください。いつ残高が底を打つか、いくら足りないかが日繰りで見えて初めて、必要な手の大きさが決まります。

最初に掴む3つの数字
① 資金が底を打つ日 ② その時の不足額 ③ 今すぐ動かせる現金
「2か月後に◯◯万円足りない」と特定できれば、慌てて全額を借りる必要はない。前倒しできる入金と、待ってもらえる支払いを差し引いた『本当の不足額』だけを、最後に手当てすればいい

ここを飛ばして「とりあえず運転資金を」と借りるから、多すぎたり少なすぎたりする。不足の正体を数字にするだけで、打ち手は驚くほど絞り込めます

3. 慌てて借りる前に打てる手の『順番』

不足額が見えたら、コストの低い手・自社でコントロールできる手から順に打ちます。新規借入は最後です。

資金が足りない時の打ち手の優先順位

順番の肝は、『自社でコントロールできて、コストが低い手』を先に使い切ること。①②を丁寧にやるだけで、借入そのものが要らなくなることも珍しくありません。銀行相談も、資金が細ってからではなく余裕があるうちほど、条件も選択肢もよくなります

4. 追い込まれても、やってはいけないこと

焦りは、致命的な選択を呼びます。次の手は、目先の穴は埋まっても会社を壊します。

資金繰りが苦しい時の『やってはいけない』

共通するのは、『今日の資金』のために『明日の信用』を差し出していること。順番を守り、早めに動けば、これらに手を出さずに済みます。

5. BEYONDなら、こう動く(想定事例)

※以下は、BEYONDが実際に伴走するときの動き方を、想定事例としてお見せするものです。

SIMULATION

建設関連 / 年商1.8億 / 大口の入金が遅れ、2か月後の資金がショート寸前

受注はあるのに、大口案件の入金が翌々月にずれ込み、社長は「運転資金をまとめて借りるしかない」と銀行へ行こうとしていた。金利は上がっており、返済も重くなる。

① 13週で不足を特定:入出金を週単位で並べたら、不足は「9週目の一時的な谷」だけで、額も期間も想像より小さいと判明。全額を長期で借りる必要はなかった。
② 入金前倒し+支払い調整:一部得意先に着手金を相談し、仕入先には支払いサイトを一時的に延ばしてもらった。これだけで不足額が大きく縮小した。
③ 残りだけ既存枠で:それでも残る谷は、すでにある当座貸越の枠で短期に埋めた。高い金利の新規借入をせずに乗り切り、返済負担を増やさずに済んだ。
結果イメージ:「まとめて借りる」が「必要な谷だけ、コストの低い手で埋める」に変わった。資金の見通しが立ち、社長が本業に集中できる状態に戻った。

大事なのは、足りないと気づいた瞬間に、借りるのではなく順番を並べること。地図さえ持てば、慌てる必要はありません。

6. FLOWは、資金繰りの『順番』に伴走する

BEYONDは評論家ではありません。中小企業を自分たちで複数経営し、資金繰りの谷を当事者としてくぐっている集まりです。FLOWは、社長が「いつ・いくら足りないか」を掴み、慌てて借りる前に打てる手を順番に使い切るところまで、一緒に手を動かすサービスです。

資金の谷は、早く気づくほど打つ手が多い。まずは「いつ・いくら足りないか」を数字にするところから始めましょう。

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※背景データは、2025年の全国企業倒産1万261件・12年ぶりに1万件超=帝国データバンク「倒産集計2025年報」、ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産の累計2,272件・3年連続600件超=帝国データバンクを参照しました。リスケ(返済条件の見直し)・税や社会保険料の納付相談の可否は個別事情によります。具体的な判断は顧問税理士や取引金融機関にご相談ください。